パニック障害の症状について

パニック障害

パニック障害という病気の主な構成要素として、①パニック発作、②予期不安、③広場恐怖症の3種類の症状があります。

本ページではそれぞれの症状について、私のケースも交えて具体的に説明していこうと思います。

パニック障害の症状

パニック障害を発症すると、動悸・息切れ・めまい・吐き気・しびれ・腹痛・ふるえ等、実に様々な症状が現れるようになります。

また、人により現れる症状やその程度は異なります。

ここでは、数あるパニック発作の症状の中でも特に私が苦労しためまい動悸、体の冷えについて、少しだけ詳細にその症状を説明しようと思います。

めまい

パニック障害において現れるめまいは、「頭がフラフラする」「頭から血の気が引いていく」などと表現されることが多いようです。

私の場合もその表現が的確に当てはまっていたと感じています。

より具体的に記載するとすれば、症状はもう少し細かく分かれていました。

  • ふと目の焦点が合わなくなる
  • 小船に乗って海の上にいるような揺れを頭で感じる
  • 洗濯機の中にいるようなグルグルした感じを頭で感じる

「洗濯機」の状態はかなり体調が悪い時でした。パニック障害発症後3〜4ヶ月間は、常に「小舟」の状態が続き、体調が悪い時に「洗濯機」状態になるイメージでした。

発症後から半年ほど経つと、次第にめまいも症状が軽くなり、症状が出ても焦点が合わなくて一瞬クラッとするという程度まで回復してきました。

本記事を書いている2022年9月の段階では、疲れた時などにたまに焦点が合わなくなるくらいの程度です。

動悸

動悸や心拍数の増加などの心臓の症状はパニック障害において最もよく現れる症状の1つとされています。

これは単純に胸がドキドキするというものではなく、「心臓が破裂する」「心臓がバクバクして口から飛び出そう」と表現されるほど激しい症状です。

私が体験した動悸もまさしくこのような表現が当てはまるようなものであり、私は数ある症状の中で動悸が最も辛かったと感じています。

私の場合、動悸が激しくなると「耳から心臓の鼓動が聞こえる」という感覚に陥り、とてつもなく不快だったのをよく覚えています。

大抵の場合は、動悸が単発の症状として出ることはほとんどなく、めまいと体の冷えとセットで症状が現れました。

体の冷え

パニック障害では、体が冷たいと感じたり、悪寒を感じたりすることがあります。

私はもともと冷え性でもあったのですが、私の経験した症状は慢性的な体の冷えに加え、比較的急性の体の冷えもありました。

特に足先の冷えがひどく、足の裏やふくらはぎに毎日ホッカイロを貼っていました。それでもなかなか暖まらないこともあり、そういう時は布団にくるまって足を温めていました。

また、冷えというより、足に血が回らず足の感覚がなくなるような状態になることもしばしばありました。

パニック発作

パニック発作とはパニック障害の中心的な症状であり、強い不安や恐怖とともに動悸・めまい・呼吸困難などの身体症状が急に現れることを指します。

パニック発作には以下のような特徴があります。

パニック発作の特徴
  • 不意に起こり、急速にピークになる
  • 繰り返し起こる
  • 体の異常は見つからない
  • いつ起こるかわからない

私の場合は、先ほど記載した「めまい・動悸」がパニック発作の時にいつも現れ、症状が現れ始めると、すぐに症状は激しくなってものの数分で症状のピークを迎えます。

この数分間は本当に耐え難い苦しみを味わう時間であり、あまりにも症状が動悸やめまいなどの症状が激しいあまり、「このまま死んでしまうのではないか」と思ってしまう程でした。

この辛さはパニック発作になった人でないとわからない辛さだと言われているようです。

ただ、パニック発作でどんなに死にそうな思いを抱いても、パニック発作が直接の原因となって死ぬことは100%ないそうです。

そうわかってはいるものの、やはり症状が出ると「死」の恐怖がやってくるのがパニック発作の恐ろしいところなのですが…笑

予期不安

パニック障害では、最初のパニック発作の後は発作が繰り返し起こるようになります。

そのため、発作が起こっていない時も常に発作が起こることに怯え、不安を持ち続けるようになります。

これが予期不安と呼ばれる症状です。

パニック障害では、症状の激しく出るパニック発作の方に目が向けられやすいのですが、発作を経験することで心に植え付けられる不安感や恐怖感の方が厄介であり、これが予期不安となるのです。

私も例に漏れず、この予期不安にはかなり長期間苦しめられました。

時間が経つにつれ、次第に良くなっていくのですが、初めのうちは「今発作が起こったらどうしよう」と常に不安で、家から1歩も外に出られませんでした。

次第に慣れていき、買い物に行ったり飲食店に入ったりできるようになりましたが、それでも軽度の「予期不安」は常にあり、日常生活の足かせとなっていました。

予期不安が慢性的にあると常に発作への不安が付きまとい、それがストレスになってめまいや動悸などパニック発作が起こってしまうこともありました。

「予期不安 → パニック発作 → 予期不安 →パニック発作 → …」という負の無限ループに陥っている状態はかなり辛かったですね…

広場恐怖症

広場恐怖症とは、「強い不安や恐怖に襲われた場合に、逃げ場がない・誰にも助けを求められない場所にいる(行く)」ことに対して、恐怖や不安を抱くことです。

ここでの「広場」とは、「パニック発作が起きても逃げられない・助けを求められない場所」を指します。

予期不安が強くなると、パニック発作を恐れるあまりこのような場所を避けるようになります。

人によって様々ですが、電車やバスなどの公共交通機関やエレベーターなど知らない人に囲まれる場所などが例として挙げられます。

私の場合は、以下のような場所が苦手でした。

  • 車の運転
  • 飲食店内
  • スーパーなどのレジで列に並ぶ
  • 他人と話す
  • 遠出

パニック障害では、およそ80%の人が広場恐怖症を持っていると言われています。

その程度は人それぞれですが、広場恐怖症のレベルは以下の3段階に分類されています。

広場恐怖症のレベル

軽度
 外出に不安があるが、必要な場合は1人でいける。
中等度
 1人での外出が困難で、行動が制限される。
 付き添いがあれば外出できる。
高度
 ほとんど家から出られず、引きこもり状態。

私の場合、パニック障害の発症時(2021年12月)は「高度」なレベルでしたが、僅か1ヶ月足らずで「軽度」まで一時的に回復しました。

しかし、その後再び大きなパニック発作になり、また「高度」なレベルまで戻ってしまいました。

その後、3月くらいになると「中等度」まで回復し、5月くらいには「軽度」のレベルまで回復しました。

本記事を書いている2022年9月時点では、広場恐怖症の症状はほぼ見られなくなりましたが、たまに外出中に発作の不安に駆られることがあります。

「パニック性不安うつ病」を併発する可能性

パニック障害とうつ病は近い関係にある病気と考えられています。

しかし、パニック障害において見られるうつ病(パニック性不安うつ病)の症状は、一般的なうつ病に見られる症状とは異なると言われています。

「パニック性不安うつ病」に見られる代表的な症状には、以下のようなものがあります。

「パニック性不安うつ病」の主な症状
  • 気分反応性
    周りで起こる出来事に気分が左右され、良いことがあると気分が良くなり、嫌なことがあると激しく落ち込みます。
  • 過眠
    1日10時間以上眠る日が1週間に3日以上ある。
    眠らなくてもベッドの上に10時間以上いる。
  • 体が鉛のように重く感じる
    まるで体に鉛が詰まっているかのような重さを感じる。
  • 過食、体重の増加
    3ヶ月の間に体重が5%以上増えている。
  • 拒絶されることへの過敏性
    他人の批判などに対して激しい反応を見せる。

私の場合、「過眠」と「体の重さ」を感じました。

これらがパニック性不安うつ病の症状か明確には分かりませんが、この2つは本記事を書いている2022年9月時点でもはっきりと症状が残っています。

参考書籍


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