パニック障害の治療について

パニック障害

良い医者を見つける

パニック障害の治療において、良いお医者さんを見つけることはとても大切です。

パニック障害を発症すると、動悸や息苦しさなどの身体症状が見られるため、多くの人は体の病気を疑って内科などを受診するケースが非常に多いそうです。

しかし、パニック障害では精神面にも異常が見られるため、精神科・神経科・精神神経科などを受診するようにしましょう。

精神科病院などに抵抗がある方などはメンタルクリニックなどでもOKです。

とにかく自分がパニック障害であるとわかったら、いち早く受診するようにしましょう。

私は先に神経内科へ行き、その後精神科病院へ行きました。

私の場合、通える範囲には複数の精神科・神経科病院がありましたが、ネットでの口コミなどを参考に病院を選びました。

病院選びについては、以下も参考にしてみてください。

医療機関を探す際のポイント
  • 薬以外の治療も充実している
    → 臨床心理士がいてカウンセリングができるところもある
  • 通いやすい
  • 病室や待合室の居心地が良い
  • 心と体をトータルで見てくれる(コミュニケーションを多く取ってくれる)
  • 薬をこまめに調節してくれる

パニック障害の2種類の治療方法(薬物療法と精神療法)

パニック障害の治療方法は、薬物療法と精神療法の2種類があります。

これらは併用して行うのが望ましいですが、症状が辛いうちは薬物療法から始めて、後に精神療法も加えて行うのが良いかと思います。

それぞれについて、以下で詳しく説明していこうと思います。

薬物療法

薬物療法では、主に抗うつ薬抗不安薬の2種類の薬を使用して治療を行います。

抗うつ薬

抗うつ薬は何種類もあるのですが、ここでは私も服用したSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)についてご紹介したいと思います。

簡単に説明すると、SSRIは脳内のセロトニンを増やす働きをします。

セロトニン
  • 脳内にある神経伝達物質
  • 不安感を抑え、心を安定させる働きがある
  • 通称「幸せホルモン」と呼ばれている

このSSRIを服用することによって、パニック発作の不安感が抑えられ、症状が出ないようにすることができます。

パニック障害の治療薬として、日本で認可されているSSRIは以下の種類です。

  • エスシタロプラム(商品名:レクサプロ)
  • パロキセチン(商品名:パキシル)
  • セルトラリン(商品名:ジェイゾロフト)
  • フルボキサミン(商品名:デプロメール・ルボックス)

私が服用していたのは、レクサプロ(2022年1月〜4月)とパキシル(2022年5月〜現在)の2種類でした。

初めは自分の病気がうつ病だと思っていたので「レクサプロ」を飲んでいたのですが、5月にパニック障害であることに気づき主治医に相談したところ、「パキシル」の方がパニック障害により効果があるということで、それ以降は今に至るまで「パキシル」を飲んでいます。

SSRIの特徴
  • パニック発作をよく抑えることができる
  • 広場恐怖症に高い効果がある
  • 1日1回の服用で良い
  • 依存性がない
  • 効果(本作用)が実感できるまで最低2〜4週間かかる
  • 副作用としてイライラ感・吐き気・めまい・眠気などが出る

私の場合、効果(本作用)が実感できるまで4週間ほどかかりました。

それまでは副作用のみ(特に吐き気)が出続けたので「本当に効くのか?」と不安になっていたので、効果(本作用)が出てきた時は正直ホッとしました(笑)。

抗不安薬

抗不安薬では、効果が速く現れるベンゾジアゼピン系抗不安薬が最もよく使用されます。

簡単に説明すると、この薬は神経の興奮や不安を鎮める作用があり、特にパニック発作や予期不安に効果があります。

この薬も何種類も存在するのですが、効果の持続時間により「短時間型」「中間型」「長時間型」「超長時間型」に分かれます。

私が服用していたのは「中間型」のアルプラゾラム(2021年12月〜2022年4月)とブロマゼパム(2022年5月〜現在)の2種類です。

ベンゾジアゼピン系抗不安薬の特徴
  • 即効性がある
  • パニック発作を確実に抑える
  • 予期不安に効果がある
  • 副作用として眠気・だるさなどが現れる
  • 薬への耐性や依存性が出ることがある

私はアルプラゾラムに関しては、服用すると副作用の眠気がひどく出てしまい、服用後は毎回2〜3時間は寝ていました。

しかし、ブロマゼパムに変更してからはそれほど眠気も出ず、ほとんど副作用なく過ごせています。

人によって効果や副作用も異なるみたいなので、自分に合った薬を見つけるようにしましょう。

投薬療法の注意点

抗うつ薬・抗不安薬を服用する際の注意点です。

抗うつ薬 服用時の注意点
  • 必ず医師の指示通りに服用する
  • 副作用が辛くても途中で勝手に飲むのをやめない
    → 離脱症状が激しく出る可能性があるため
  • 症状が良くなったと思っても勝手に飲むのをやめない
    → 症状が再発する可能性があるため

自己判断で増量・減量するとかえって症状が悪化してしまう可能性もあるので、投薬量に関しては必ず医師と相談しましょう。

薬物療法の計画

回復までの道のりは人それぞれ異なります。

ただ、万人に言えることとしては、回復を急ぐと症状がぶり返すということだと思います。

ぶり返すと更に症状が重くなったりするので、症状が出ないからといって自己判断で薬の服用をやめないようにしましょう。

パニック障害の完治までには年単位で時間がかかることも多いようです。

パニック障害の投薬治療計画(例)
  • 2週間〜
    2ヶ月
    服薬に集中する期間

    抗うつ薬・抗不安薬を使いながら、パニック発作が出ないようにする

  • 1ヶ月〜
    3ヶ月
    適正な服薬量を探っていく

    薬の効き目や副作用の状態を確認しながら、適切な薬の量を判断していく

  • 半年〜1年
    適正な量の薬を服用し続ける

    症状が出なくなっても、適正な服薬量の薬を飲み続ける

  • 3年〜5年
    薬の減量期間

    時間をかけながら徐々に投薬量を減らしていく。減量は必ず医師と相談しながら進めていく。

精神療法

薬物療法では、辛い症状を取り除くことができます。

しかし、症状が取れて日常生活に戻れたとしても、次の発作に怯えていたり、そもそも不安を感じやすかったりなど、マイナス思考の人がパニック障害の患者には少なくないそうです。

そんな思考をプラス思考に導いていくのが「精神療法」なのです。

精神療法も様々なものがありますが、広く知られているものとしては、心理教育・カウンセリング・認知行動療法・自律訓練法・森田療法などがあります。

そして、ここでは私の実践した認知行動療法について、ご紹介したいと思います。

認知行動療法(認知療法+行動療法)

認知療法
 物事を悲観的に考える自分の心のクセを理解し、修正していく。

行動療法(曝露療法)
 不安や恐怖が生まれやすい場所にあえて身を置き、その環境に徐々に慣れていく。

精神療法に関して、私はほとんど曝露療法の1択で治療を進めてきました

治療中に部屋で引きこもっているのも性に合わなかったし、日常生活に戻るためには最終的にはやらないといけないことだと思ったので、「だったら最初から曝露療法1択でいいや」という感じでした。

私の行ってきた曝露療法の詳細については、以下の記事でご紹介していますので、そちらもご覧ください。

また、認知療法についても、別の書籍を読んで詳しく学んだので、別記事でご紹介したいと思います。

参考書籍


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