自律神経の仕組みと機能

自律神経失調症

自律神経の構成

私たちの体には、様々な神経が全身に張りめぐらされています。

この様々な神経は大きく2種類にわかれます。

神経システムの大分類

・中枢神経 : 脳と脊髄で構成される中枢神経システム
・末梢神経 : 脳以外にあり全身の各器官と繋がり情報交換を行う

自律神経は末梢神経系に属しています。末梢神経系は以下のようにわかれています。

末梢神経の分類

①体性神経:脳に情報を伝えて体の各部分を自分の意思で動かすための神経
・運動神経:手足などの器官の動きを管理
・感覚神経:音や視覚情報、痛みなどの感覚を脳に伝達

②自律神経:自分の意思とは無関係に体の機能を調整している神経
・交感神経 :呼吸や鼓動を早めたり、消化液の分泌を抑制したりする
・副交感神経:血圧の下降させたり、消化液の分泌を促進したりする

例えば、暑い時に汗をかいたり、運動した時に心臓の鼓動が早まったりするのも自律神経が作用しているのです。

このように、私たちの体は複数の神経から構成されており、この神経システムにより私たちの生命活動は支えられているのですね。

それでは、自律神経を構成する交感神経と副交感神経の役割をそれぞれみていきましょう。

交感神経の役割

一般的に、交感神経は体の活動を活発化させます。

交感神経は「怒り・恐怖・不安・緊張・身の危険」などが生じた時に働きます。

心臓などの活動を活発化させ、エネルギー消費を増大させるのです。

例えば、会社で大勢の社員の前でプレゼンを行う時のことを考えてみましょう。

プレゼンの直前になると、緊張して心臓がドキドキするという人も多いのではないでしょうか。

これは、緊張することによって交感神経が働き、その影響で心臓の伸縮や脈拍の増加が起こっているためです。

また、プレゼン前の緊張した状態の時、食欲は湧いてくるでしょうか。

多くの方は湧いてこないのではないかと思います。

これは、交感神経が胃腸の働きや消化液の分泌を抑制するためなのです。

副交感神経の役割

副交感神経は交感神経とは逆の作用を発揮します。

睡眠中など体の状態が安定している時に働き、臓器や体の器官をリラックスさせる効果があります。

心臓などの活動を減少させ、エネルギーを蓄えるように働くのです。

食事をした後やお風呂に入った時など緊張がほぐれてリラックスする人が多いと思いますが、これは、副交感神経が優位になっているためなのです。

自律神経失調症になると、副交感神経が優位になりにくくなるため、体が長い時間緊張状態になってしまい、様々な症状に苦しめられることになります。

そのため、私は自律神経失調症の症状がひどい時などは、敢えて食事や入浴の回数を増やすなどして積極的に副交感神経を優位にするよう心がけていました。

自律神経(交感神経・副交感神経)の役割

自律神経の大きな役割の1つは、「ホメオスタシス」の働きを助けることです!

ホメオスタシス

気温・湿度などの外部環境の変化などに応じて、体温や血液量などを一定範囲に保つ働きのこと

要するに、ホメオスタシスとは体内を心地よい環境にしようとする作用のことです。

例えば、以下のようなものです。

・お腹が空いたら食べ物を食べる(飢えという不快状態を改善する)
・暑い時に汗をかいて体温調節をする(暑さという不快状態を改善する)

このホメオスタシスがしっかりと作用するように助けているのが、自律神経なのです!

自律神経は発汗や消化活動を調整することで、ホメオスタシスがきちんと作用するよう助けています。

すなわち、自律神経が乱れるとホメオスタシスがうまく作用せず、体内の心地よい環境が崩れてしまいます。すると、自律神経失調症になってしまうのです。

自律神経というのがとても大切なものだというのがよくわかりますね。

参考書籍

今回の記事の内容は以下の書籍を参考にさせて頂きました。

また、私の実際の体験と主治医から聞いた情報も交えながら紹介しております。

参考書籍

『専門医が治す! 自律神経失調症(高橋書店)』


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