自律神経失調症の原因

自律神経失調症

ストレスこそ最大の敵

自律神経失調症の最大の原因となるものはストレスです。

精神的なストレスはもちろんのこと、生活リズムの乱れは身体的なストレスに繋がります。

これらのストレスに対して自律神経が過敏に反応することによって、自律神経失調症が発生するのです。

では、自律神経失調症にならないために、「ストレスが全くない環境に身を置いて生活しましょう!」と言っても、ほとんどの人にとってそれは不可能でしょう。

また、「ストレスが全くない方が良いか?」と言われると、そうではありません。

適度なストレスは私たちの生活・人生をより活き活きとしたものにしてくれます。

例えば、新入社員の場合、初めて社会に出ることで多くのストレスを受けると思います。

しかし、それは仕事を通して自分自身が成長できる場でもあり、ストレスというものが良い影響を与えていると考えることができます。

このように、ストレスは適切な程度であれば私たちによって良い影響を及ぼしてくれるのです。

問題は、ストレスの強さがその人の許容範囲を超える場合です。

強いストレスを一時的に受けて許容範囲を超える場合もあれば、それほど強くないストレスが長期に渡って蓄積し、その結果、許容範囲を超えてしまうこともあります。

いずれにしろ、ストレスレベルが許容範囲を超えれば、私たちの自律神経は乱れ(交感神経と副交感神経の切替えがうまくできず、交感神経がずっと優位になってしまう)てしまうのです。

そこで大切なのは「自分が何にストレスを感じているか」を知ることです。

これは、自律神経失調症を治療する上でも最初のステップとなります。

自分が何で苦しんでいるのか、その原因を自覚できなければ適切な治療ができませんからね。

ストレス源とストレス

少し細かいことかもしれませんが、ストレスに関わる2つの言葉を簡単にご紹介したいと思います。

ストレス源とストレス
  • ストレス源:心と体が受け取る人間の内部・外部からの全ての刺激
  • ストレス :ストレス源によって影響された心身の状態

「仕事がストレスだ」というような表現をよく使うかと思いますが、これは厳密に言うと、仕事というのは「ストレス源」であり、仕事(ストレス源)から受ける心の状態(プレッシャーを感じる等)がストレスということです。

また、ストレスというのは個人の考え方や性格によって、その強弱が変わったりします。

例えば、新しい仕事を与えられたAさんとBさんの場合です。
Aさん:いいチャンスだ。ここで成果を出して出世に繋げよう。
Bさん:面倒な仕事を与えられたなー。ミスして怒られたらどうしよう。

この場合、「新しい仕事」というストレス源はAさんもBさんも同じです。

ただ、AさんとBさんでストレス源に対する考え方が異なるため、受けるストレスレベルが異なるのです。

この場合、BさんはAさんより強いストレスを受けており、Bさんの方が自律神経失調症になりやすいタイプと言えるでしょう。

ポイント

ストレス:外部環境の変化(ストレス源)により起こる心と体の状態

私たちの身の回りには、実に多くのストレス源が存在します。

そしてそれらは、ストレスとして私たちの心身に影響を与えるのですが、ストレスは主に身体的ストレス精神的ストレスに分類することができると考えられています。

身体的ストレス見出し

ストレス源を「」がストレスとして認識するもの

  • 寝不足による極度の疲労
  • 空腹を感じた時の心の状態 等
精神的ストレス

ストレス源を「」がストレスとして認識するもの

  • 失業による将来への不安
  • 人間関係の悪化による不和 等

外的要因によるストレス と 内的要因によるストレス

先程の身体的・精神的ストレスは、どちらも外部環境からの刺激によって起こる心と体の状態です。これらは、外的要因によるストレスと呼ばれています。

一方、その人の性格や気質、考え方などによって生み出されるものは内的要因によるストレスと呼ばれます。

そして、両者は密接に関係し合っているのです。

例えば、私も何度も経験がありますが、仕事でミスをして上司に怒られたとしましょう。

その際、「仕事のミスで上司に怒られた」ことは「外的要因によるストレス」に分類できます。さらに、その受け止め方は「内的要因によるストレス」に影響を及ぼします。

・「自分は何てダメな人間なんだ」
 →「内的要因によるストレス」は強い

・「今回のミスは良い経験になった。次は同じミスをしないよう気をつけよう」
 →「内的要因によるストレス」は弱い

このように、「内的要因によるストレス」が強い人は、そうでない人に比べてストレスを多く感じ、その人のストレスに対するキャパは一杯になりやすいと言えるでしょう。

そのため、「内的要因によるストレス」は極力少ない方が良いでしょう。

ただし、どの程度の「内的要因によるストレス」を強さを受けるのかは、その人の性格や気質、考え方に依るものであるため、その強さをコントロールするのは難しいのです。

そこで、大切になってくるのは、「内的要因によるストレス」を受けにくくするための考え方を身につけということです。

参考書籍

今回の記事の内容は以下の書籍を参考にさせて頂きました。

また、私の実際の体験と主治医から聞いた情報も交えながら紹介しております。

参考書籍

『専門医が治す! 自律神経失調症(高橋書店)』


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