2022年のスタート
新年を迎えました! 新年と言えば2日・3日の箱根駅伝!という方も多いと思いますが、実は群馬県では元日にニューイヤー駅伝(実業団駅伝)が毎年開催されています(全国放送もされています)。
そして、なんと私の実家はその駅伝ルートのすぐ近くにあるのです。そのため、毎年沿道で応援に行っています。
今回はコロナ禍ということで声を出しての応援はできませんでしたが、沿道から旗を振って精一杯応援しました。
この日は新年ということもあり気持ちもフレッシュで、体調もまずまずな1日でした。
自律神経失調症で「うつ病」の診断書をもらう
抗不安薬(アルプラゾラム)の効果もあり、私の体調は日に日に良くなっていきました。
今まで避けてきていた人の多い場所や車の運転も少しできるようになり、「このペースでいけば、もうすぐ完全復活だ!」と少し自信も出てきはじめました。
個人的には8割程度回復したかなと思ったので(実際はそんなことなかったと後から気づくのですが)、関西の自宅アパートに戻り仕事に復帰する準備をしようと思い、1月6日に群馬を発つことを決めました。
会社にもその旨伝え了解を得たのですが、現在のかかりつけ医から病気の診断書をもらうよう指示されました。
そして群馬を発つ前日の1月5日、かかりつけの脳神経内科で診断書の作成を依頼しました。
先生とは以前から私の症状は自律神経失調症だということで話しをしていたため、診断書に記載する病名は「自律神経失調症」でお願いしました。
しかし、「それはできない」と先生に言われてしまいました。
この時初めて知ったのですが、実は「自律神経失調症」というのはいわゆる俗称であって「正式な病名」ではないのです。
では「私の病名は一体何になるのか」という私の問いに対し、「まさしくの病名はない」というのが先生の回答でした。
こういう場合は、その症状に最も近しい病名を記載するのだということでした。
そして、私の場合それは何だったのかというと「うつ病」ということでした。
「うつ病」と聞いて、皆さんはどのような印象をお持ちでしょうか?
私はうつ病のことなど当時は全く知らず、「うつ病って自分に価値がないとか感じるやつじゃないの!?」程度の知識しか持ち合わせていませんでした。
症状が出てからそんなことは1ミリも思ったことがないし、気持ちが塞ぎ込むといったようなこともなかったので、正直なところ「うつ病」という診断書の病名には違和感がありました。
しかし、それが最も近いのであればそう記載してもらうしかないので、うつ病の診断書を発行して頂きました。
自宅アパートに帰宅 仕事復帰へ一抹の不安
翌日の1月6日、症状は未だ残るものの、群馬から関西の自宅アパートへ戻りました。
出発直前に抗不安薬を服用し、移動の新幹線ではひたすら寝て過ごしたため、激しい症状は起こりませんでした。
その日は移動も疲れたので早々にベッドに入り、7日を迎えました。
この日は久しぶりに会社に顔を出し、上司と今後の復職について相談する予定でした。
約束の10時少し前に会社ビルに到着し、オフィスへ向かいました。
急に倒れてから1ヶ月以上も休んでしまい、会社の皆さんには大変迷惑をかけてしまいました。
ですが、また職場に戻って来られるのが嬉しくて、はやる気持ちでオフィスのドアを開けました。
しかし、それと同時に私はグラっと大きなめまいを感じました。そして一瞬にして体に緊張が走り、心に余裕がなくなっていくのを感じました。
後にわかったのですが、その原因はオフィスに入り大勢の視線を一斉に集めたことでした。
「まずいな」と思ったのですが、何とか持ち堪えて症状をやり過ごせました。
本当は職場の皆さんと色々とお話ししたかったのですが、そんな余裕はなさそうと判断し、上司とともに足早に別室に移動しました。
別室に行くとさっきまでのめまいは落ち着きました。
上司との面談では、これまで色々と助けて頂いたので、はじめにお礼をお伝えしました。
そして依頼されていたうつ病の診断書を手渡し、私の復帰について相談しました。
会社的には「私がうつ病が原因で長期休養している」ことになっているので、会社のルールとして復職前に産業医の面談を実施しなければならないということでした。
そして、その産業医との面談日まで1週間程日があったため、もう数日間有給を取らせていただくことにしました。
面談を終え、私は自宅アパートまで帰りながら「さっきオフィスに入った時に感じた強烈なめまいは何だったのだろう…」と不安に感じていました。
しかし、「抗不安薬もあるし大丈夫だろう」と楽観的に考え忘れることにしました(笑)。
4回目のパニック発作 東京駅で倒れる
自宅アパートに帰宅後、多少の疲れもあったのでベッドで仮眠をとりました。
夕方に目を覚ますと、何だか体に違和感がありました。
何とも言えない不快な感じで、数時間前に会社に行った時の体調とは明らかに異なっていました。
念のためすぐに抗不安薬を飲み、症状は一時的に落ち着きました。
しかし、翌日、薬の効果が切れかかってくると、再びめまいなど不快な症状が出始めました。
その都度抗不安薬を飲むのですが、だんだん薬の効いている時間も短くなり、その後も頻繁に症状が出てくるようになってきました。
そして、結局は再びベッドに突っ伏して外出もままならない状態へと逆戻りしてしまいました。
流石にこれはまずいと思い、また救急車を呼ぶような事態になる前に再び群馬へ戻って療養しようと決めました。
上司に断りを入れ、1月10日に新幹線で群馬に向け出発しました。
新幹線内では気持ちが悪すぎてずっと寝ていました。
東京駅で北陸新幹線に乗り換えるため、別のホームへ移動しました。
しかし、運悪くこの日は正月明け最初の3連休の最終日。
ホームは大勢の人でごった返しており、新幹線を待つ人も長蛇の列でした。
体調が悪い中こんな環境に身を投じてしまったのは最悪でした。
人混みに対して強いストレスを感じ、みるみるうちにめまいが激しくなりました。
頭痛、吐き気が現れ、血の気が引いていき、心臓は飛び出すくらいドクドク鳴っていました。
「やばい、意識がなくなって倒れる!?」と思った時、自分の乗る新幹線のドアが開き、並んでいた乗客が新幹線内に入っていきました。
私もすぐに車内へ入り、何とか意識を保ちながら自分の指定席までたどり着きました。
そしてすぐさま隣の座席も使い体を横に倒しました。
「症状おさまれーおさまれー」と何度も自分に言い聞かせながら、発車まで必死に耐えていました。
そして新幹線が発車。続く上野駅、大宮駅でも多くの人が乗ってきました。
あっという間に車内は満席に近い状態となり、私の座席周りにも多くの人がいました。
こんな大勢の人が周りにいる環境は、今の私にとってはかなりのストレスでした。
症状も全然改善せず、耐え続けるのに限界がきたので、諦めて助けを求めることにしました。
ふらふらな状態でしたが最後の力を振り絞り座席を立ち、車掌さんを探しに行くことにしました。
幸いなことに隣の車両に移動した際に反対側から車掌さんがこちらに歩いてきました。
慌てて車掌さんに事情を説明し、どこか1人でゆっくり休みたいと伝えると、車掌室の近くにある「多目的室」へ連れて行ってくれました。
この時初めて新幹線に多目的室なるものがあることを知りました。
中は人1人が横になれる程度のスペースがあり、私のような急に気分の悪くなった乗客のためにあるような部屋でした。
ここで目的地の高崎駅まで寝させて頂くことにしました。
1人の空間になると症状は幾分おさまりました。
高崎駅に新幹線が到着し、下車しました。
しかし、やはり1人で歩くとふらふらします。
高崎駅では駅員さんに助けを求め、駅員室内の簡易休息所で1時間ほど寝かせて頂きました。
1時間も寝るとだいぶ体調の方は落ち着きました。
駅員さんにお礼を伝え、タクシーで実家まで帰りました。そして速攻で寝ました。
神経内科を受診 中等症の「うつ病」と診断
翌日1月11日の朝。
目覚めは最悪でした。ベッドから体を起こした途端、前日に東京駅で起こったような激しい症状に見舞われました。
起きた瞬間からこの苦しみは正直かなり辛かったです。
いっそ救急車を呼ぼうかとも思いましたが、抗不安薬を飲み何とか凌ぎました。
朝からそんな状態だったので、その日のうちに病院に行くことにしました。
前回見てもらった脳神経内科さんは予約でいっぱいだったため、自宅近くの神経内科を受診しました。
1人では病院まで行けなかったので、母親に連れ添ってもらい、病院まで向かいました。
三連休明けだったので待合室は混んでいました。
すると、周りに大勢人がいたため、またしても気分が悪くなってしまい、待合室で待っていることができないほどになってしまいました。
仕方なく車に戻り自分の番が呼ばれるのを待ちました。
ついに自分の順番が来た時にはふらふらな状態で、看護師さんに支えられるような形で診察室に入りました。
流石に先生も私の様子を見て驚いていたようです。はじめに、いくつかの質問が書いてある問診表を回答し、その後先生の診察を受けました。
その結果、「うつ病」と診断されました。同時に、社交不安障害とパニック障害も併発しているようだと言われました。
ここで初めてパニック障害という言葉を知ったのですが、当時は「うつ病に併発しているだけの諸症状の1つ」程度にしか考えていませんでした(その後パニック障害が根本的な原因だと気づくのは5月になってからでした)。
ちょうどこの日の診察の最後の患者が私だったようで、うつ病について何も知らない私に1時間も時間を割いて頂き、病気の詳しい説明や治療方法を説明してくださいました。
本当に優しい良い先生でした。自分の病気の原因がわかって少し安心できたのか、説明を聞いただけなのに気持ちがスッと楽になったのを覚えています。
このような精神的な病気の場合は、しっかり自分の話を聞いてくれ病気について適切な説明をしてくれる信頼できる医師を見つけるのがとても大切だと感じました。
しっかり治療するにはまずは自分が何で苦しんでいるのか正しく知らなければなりません。
そして、その日からうつ病を治療する薬を飲み始めることになりました。